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「プラネタリーヘルス」とは?地球の健康と私たちの暮らしをつなぐ新しい視点(SDGsな旬ワード⑮)

加藤 直樹

加藤直樹

2026/02/01

はじめに

私たちの健康は、個人の生活習慣や医療だけで決まるものではありません。気候変動、環境汚染、生物多様性の喪失、食料システムの変化──こうした地球規模の問題が、実は私たち一人ひとりの健康と深く結びついています。

そこで近年注目されているのが「プラネタリーヘルス(Planetary Health)」という考え方です。

プラネタリーヘルスとは

プラネタリーヘルスとは、「地球の健康なくして、人類の健康は成り立たない」という前提に立つ概念です。人の健康と、自然環境・生態系・社会システムの健全性を切り離さず、一体として捉える考え方を指します。

この概念は、医学や公衆衛生の分野から広がり、現在では食、都市、エネルギー、経済など多様な領域と結びついています。例えば、大気汚染が呼吸器疾患を引き起こすことや、森林破壊が感染症リスクを高めることは、プラネタリーヘルスの典型的なテーマです。

なぜ今、プラネタリーヘルスなのか

背景には、地球環境の変化が「将来のリスク」ではなく、「現在進行形の健康問題」になっている現実があります。猛暑による熱中症の増加、異常気象による食料不安、パンデミックの発生など、環境と健康の関係は無視できなくなっています。
従来の医療や福祉だけでは、こうした複合的な課題に対応できません。だからこそ、環境政策と健康政策を統合的に考えるプラネタリーヘルスの視点が求められているのです。

最新の動向

国際的には、WHOや国連、各国政府がプラネタリーヘルスを政策に取り入れ始めています。食と健康、気候と健康を結びつけた取り組みが進み、持続可能な食事(サステナブル・ダイエット)や都市の緑化による健康増進などが注目されています。

企業の間でも、従業員の健康管理だけでなく、環境配慮型の事業活動が中長期的に人々の健康に貢献するという視点が広がっています。ウェルビーイングやネイチャーポジティブとも強く結びつくテーマです。

私たちにできること

プラネタリーヘルスは、日常の選択とも深く関係しています。地産地消の食事を選ぶこと、環境負荷の少ない移動手段を選ぶこと、自然に触れる時間を大切にすること。これらはすべて、自分の健康と地球の健康を同時に守る行動です。

「自分のため」と「社会のため」を分けずに考えることが、プラネタリーヘルスの第一歩といえるでしょう。

おわりに

プラネタリーヘルスは、SDGsを“環境”や“社会”の話で終わらせず、「私たち自身の健康の話」へと引き寄せる視点です。地球を大切にすることは、遠い理想ではなく、今を生きる私たちの暮らしと直結しています。「健康とは何か」を地球規模で捉え直すことが、持続可能な未来への重要な一歩になるでしょう。

次回も、注目すべきキーワードを解説を交えてお届けします。ぜひお楽しみに!
学生や社会人の皆さんにとって、今後のキャリアや日々の仕事を考えるヒントになれば幸いです。

《参照記事》
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筆者プロフィール》

https://sustainable-world-boardgame.com/facilitator/n-kato

加藤 直樹

加藤直樹

SDGs/ご当地グルメ/旅行が好きです。その好きなことで仕事をしながら、各地域を盛り上げる中小企業やフリーランスの方々を後押しする活動をしています。