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「パーパスドリブン」とは?“存在意義”から始まるビジネス(SDGsな旬ワード⑨)

加藤 直樹

加藤直樹

2025/08/03

はじめに

時代の変化とともに、「何のために働くのか」「なぜこの会社が存在するのか」といった問いが、企業や個人にとって重要性を増しています。

近年、注目されているのが「パーパスドリブン(Purpose Driven)」という考え方です。これは、単なる利益追求を超えた“社会的な存在意義”を軸にした経営や行動の在り方を指します。
今回は、企業の変革や個人の働き方にも影響を与える「パーパスドリブン」について紹介します。

パーパスドリブンとは

「パーパス(Purpose)」とは「存在意義」や「目的」を意味します。パーパスドリブンとは、企業や個人が自らの“存在の理由”を明確にし、それを軸に意思決定や行動を行う姿勢を指します。

これまでの経営は「ミッション(使命)」や「ビジョン(未来像)」を掲げることが主流でしたが、パーパスはそれらを土台として、「自分たちはなぜ存在するのか?」という根本の問いに応えるもので、社会課題の解決や共通善の実現と深く結びついています。

なぜ今、パーパスドリブンなのか

背景には、気候変動や格差、孤独、労働環境の問題など、複雑化する社会課題への関心の高まりがあります。特にZ世代を中心に、消費や就職の意思決定において「共感できる目的」や「社会的な意義」を重視する傾向が強くなっており、企業もその価値観に応える必要があります。

さらに、コロナ禍を経て、生活や働き方に対する意識が変化したことで、「自分の仕事は社会にどう貢献しているのか?」という問いを持つ人が増え、企業にも“共感される存在意義”が求められるようになりました。

最新の動向

多くのグローバル企業がパーパスを経営の中心に据える動きを加速させています。たとえば、ある食品企業は「健康を通じて人々の生活をより良くする」というパーパスを掲げ、サステナブルな商品開発と教育支援を両立。一方で、金融やIT業界でも、パーパスに基づいたESG投資やサービス設計が進んでいます。

日本企業の間でも、創業理念を再解釈してパーパスとして再定義し、経営戦略やブランド開発に落とし込む動きが広がっています。特にスタートアップや中小企業にとっては、限られた資源の中で独自性と共感を生み出す“軸”として有効です。

私たちにできること

パーパスは企業だけでなく、私たち一人ひとりにも当てはまります。「自分は何に価値を感じ、どんな社会に貢献したいのか」を言語化することは、キャリア選択やライフスタイルの決定にも役立ちます。

また、共感できるパーパスを掲げる企業の商品やサービスを選ぶことも、社会への小さなアクションとなります。日々の選択や働き方に「自分なりの意味」を見出すことが、持続可能な未来への第一歩になります。

おわりに

パーパスドリブンは、利益と社会貢献を二者択一とせず、両立を目指す新しい価値観です。個人と組織がともに「なぜ、それをするのか?」を問い続けることで、より持続可能で豊かな社会が形づくられていきます。

次回も、注目すべきキーワードを解説を交えてお届けします。ぜひお楽しみに!

学生や社会人の皆さんにとって、今後のキャリアや日々の仕事を考えるヒントになれば幸いです。

《参照記事》
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筆者プロフィール》

https://sustainable-world-boardgame.com/facilitator/n-kato

加藤 直樹

加藤直樹

SDGs/ご当地グルメ/旅行が好きです。その好きなことで仕事をしながら、各地域を盛り上げる中小企業やフリーランスの方々を後押しする活動をしています。