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【地域のRe:Design】愛知県奥三河の地域を盛り上げるアイデア
2022/09/24
旅行会社にお勤めで、愛知県でSDGsボードゲームのファシリテーターをされている、中島ゆかさんに、地域の魅力を盛り上げるアイデアについてお話しを聞いてみました。
農業・工業が両立する愛知県
愛知県は農林水産業と工業のバランスが取れている県。工業で言えばトヨタが有名だけど、農林水産業は東三河地域がすごい。特に田原市はほぼ食料を自給自足できるレベルなのです。
さらに、工業地では税収も多く、特に名古屋市に隣接する飛島村は、日本一の財政力のある自治体になっています。
一方、愛知県の東部、東三河の地域は、愛知県で先行して人口減少、過疎化が進んでいます。特に、県の最東北部に位置する、奥三河地域では顕著です。
地域産業がないと地域は衰退するのか
地域産業を育てていくのは大事ですが、時間がかかります。人口が減少する中でも、町のために協力して、お金が落ちる仕組みを考えたいですね。
例えば、定住というのではないライフスタイル。
関係人口と最近は言われていますが、奥三河は自然豊かな場所ですし、雲海が見れる蕎麦屋(https://omoteyaen.co.jp/chazenichi/)なども有名です。
一方で、ゲストハウスや民宿などの数も少ないので、まずは旅行での宿泊先として検討できる環境づくりが必要かなと思います。
テレワークが普及してきた今なら、アクセスを大きな課題として考えずとも、一定の需要があるかもしれません。人口減少が続いている地域にとっては、チャンスだと思います。
どう地域の魅力を発掘していく?
奥三河に位置する東栄町では、ファンデーションの原材料となる「セリサイト」という鉱物が日本で唯一採れ、その品質の高さから奇跡のパウダーとも呼ばれ、世界のコスメティック市場へ供給されています。そこでは鉱山見学ツアーも開催されており、実際に、コスメを作る体験もできるとのこと。
鉱山トロッコ
http://tsushima-keibendo.a.la9.jp/sanshin/sanshin.html
コスメ作り「naori」
https://naori-toei.jp/about.html
化粧品の原材料が「身近な鉱山からとれてる」という、普段の生活と地域との結びつきを考えられるきっかけになります。
このような、地域の独創的な産業をPRするだけでも、地域の魅力を発掘しやすいのです。例えば、こちらは東京都八王子市の例ですが、エレベーターなどの「ボタンを作る」というニッチな分野を逆手にとって、実際に制作したボタンを展示し、一般の方に触っていただくことで、会社の認知度を上げています。
島田電気製作所
https://syouei.net/case/case_shimadadenki/
街を盛り上げるアイデアは、曖昧な視野ではなく、そこにある産業一つ一つに目を配ることで解像度が増すということです。
また、地域の自然資源もうまく使って、沖縄では洞窟内カフェというのもありますから、鉱山内カフェとかできたら面白いのではないでしょうか。
お金をかけなくても、できることはあるか
施設を設計すると、お金や時間といったリスクがつきものです。より短期的にでも、低コストでできる施策も考えるべきでしょう。
例えば、あるテーマを決めて、それに関心がある人の「聖地」にしていくことも面白い施策だと思います。音楽をやっている人が思う存分音楽の演奏ができ、音楽をしてるもの同士が集まれる場として、防音設備や演奏できる空間が整った音楽マンションというのもできてきています。他にも、都心では飛行が制限されているドローンを自由に飛行できるような、若手ITエンジニアが集まる場にしていくのも面白いですよね。
このように、地域創生のアイデアはいくらでも思いつくので、あとは試行錯誤できるための資金、人手、地域の協力が必要になります。
まずは、こういったメディアを発信しながら、一つでも貢献できたらと思います。
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