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ポストSDGs時代の選択②〜私たちは何を目指せばいいのか〜

加藤 直樹

加藤直樹

2026/04/01

前回の記事では、「SDGsはオワコンなのか?」という問いを取り上げました。結論として、SDGsそのものが終わったわけではなく、言葉やロゴが先行するフェーズから、個別の課題に取り組む実装フェーズへと移っていることをお伝えしました。地方創生や地域の産業再生など、日本各地で進む取り組みは、まさにその具体例です。

では、その次に生まれる問いがあります。

SDGsのあと、私たちは何を目指せばいいのでしょうか。

私たちは何を目指せばいいのか

この問いは、社会の方向性だけでなく、私たち一人ひとりの生き方にも関わります。SDGsは社会全体の共通目標でした。貧困をなくすこと、環境を守ること、ジェンダー平等を実現すること。どれも重要で、世界が共有すべき方向性です。

しかし同時に、SDGsは「社会の目標」であって、「人生の目標」ではありません。

会社でSDGsの取り組みを進め、環境配慮や社会貢献に関わる仕事をしていても、どこか満たされない感覚を抱く人は少なくありません。売上は順調、評価も悪くない。それでも、「このままでいいのだろうか」と感じる瞬間がある。

その理由の一つは、外側の正解と内側の納得が必ずしも一致しないからです。

SDGsは社会としての正解を示してくれます。しかし、それだけでは「自分がどんな人生を送りたいのか」という問いには答えてくれません。ポストSDGsの時代には、もう一つの視点が必要になります。それは、「自分にとってどんな豊かさが望ましいのか」という問いです。

アバンダンスとは

ここで最近よく議論される概念の一つが「アバンダンス(abundance)」です。イーロン・マスクなども語るように、テクノロジーの進化によってエネルギーや情報、知識といった資源はこれまで以上に豊かに供給できる可能性があります。太陽光発電やAIの進化が象徴するように、社会は“欠乏”から“豊富さ”へと向かう可能性を持っています。

しかし、本当に重要なのは、単に資源が増えることではありません。
その豊かさをどう社会の中で循環させるかです。

ここでウェルビーイングという考え方ともつながります。ウェルビーイングとは、単なる経済的な豊かさではなく、心身の健康、人とのつながり、地域との関係性などを含めた「よく生きる状態」を意味します。

実は、この考え方は地方創生とも深く関わっています。

地方の課題としてよく語られるのは、人口減少や産業の衰退です。しかし、地域にはもともと多くの資源があります。自然、文化、技術、食、コミュニティ。これらは必ずしもGDPには直接表れませんが、人の暮らしを豊かにする大切な要素です。

重要なのは、それらの価値を循環させることです。地域の資源を活かした産業が生まれ、そこに働く人が誇りを持ち、その価値が次の世代に受け継がれていく。そうした循環が生まれるとき、社会は持続可能になります。

あなたは今、どんな豊かさを目指していますか。

ポストSDGsの時代に求められるのは、単に課題を解決することだけではありません。豊かさをどう循環させるかを考えることです。

例えば、こんな問いです。

自分の仕事は、社会のどんな価値を生み出しているだろうか。
その価値は、誰かの暮らしを豊かにしているだろうか。
そして、その価値は次の世代へとつながっていくだろうか。

こうした問いを持つことは、個人のキャリアの話でもあり、同時に社会の未来の話でもあります。

SDGsは、社会を整えるための共通言語でした。その次に必要なのは、私たち自身がどんな豊かさを望み、どんな循環をつくりたいのかを考えることです。

ポストSDGs時代とは、単に課題を減らす社会ではなく、豊かさを生み出し、循環させていく社会なのかもしれません。

その第一歩は、とても身近なところから始まります。

自分はどんな仕事をしたいのか。
どんな地域と関わりたいのか。
どんな社会を次の世代に残したいのか。

あなたは今、どんな豊かさを目指していますか。

《参照記事》
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筆者プロフィール》

https://sustainable-world-boardgame.com/facilitator/n-kato

加藤 直樹

加藤直樹

SDGs/ご当地グルメ/旅行が好きです。その好きなことで仕事をしながら、各地域を盛り上げる中小企業やフリーランスの方々を後押しする活動をしています。