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地球と宇宙を繋ぐ食のイノベーション:フードロス削減に貢献する宇宙食開発(サステナブルな技術のはなし)
2024/11/03
近年、民間宇宙旅行の実現に向けた企業の宇宙開発が活発化しており、特にアメリカの宇宙開発企業スペースXは、月や火星への飛行も想定した大型宇宙船「スターシップ」の開発を進めています。
長期の宇宙滞在の実現に向け宇宙技術の開発と共に進められているのが、宇宙食の開発です。
実は、宇宙食の研究開発は、地球の食品ロス削減と密接な関係があります。
例えば、アメリカ航空宇宙局NASAが研究開発を行い宇宙食における実用化を進めた真空パック技術やレトルトパウチ技術、フリーズドライ技術は、現在では家庭向けの肉や魚、野菜などの食品を長期間新鮮に保つためにスーパーや家庭で使用されています。
また、宇宙開発機構JAXAとリアルテックホールディングス株式会社が約50の事業者と共に2020年に立ち上げた「SPACE FOODSPHERE(スペースフードスフィア)」プログラムは、地球と宇宙における「食」の共通課題の解決に向けた活動を行っており、現在主に2つのソリューション創出に取り組んでいます。
1つ目は、「完全資源循環型かつ超高効率な食料供給システム」で、日本が長年培ってきた農業技術などを融合させながら、宇宙でも地球でも美味しく食べれる高品質な日本産農産物、微生物食品、培養肉の開発に取り組んでいます。
2つ目は「閉鎖空間のQOLを飛躍的に高める食のソリューション」で、日本の食品加工技術や調理技術、極地での人間観察眼など先人が蓄積してきた知恵と先端技術を組み合わせ、宇宙の最前線で通用する食関連のQOL改善ソリューションの実現を目指しています。
宇宙空間の限られた資源の中で、長期的な暮らしを想定した食に関する研究開発は今後も発展することが期待されます。
宇宙の制約から学んだ知見が、地球上の食料問題解決の一助となるのではないでしょうか。
(出典)
SPACE FOODSPHERE https://spacefoodsphere.jp
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テクノロジーに触れることが好きなので、そこから新しいものを生み出してSDGsに貢献することを目指しています。